僕にとっての天使

夕方、急にあの子からLINEがあって、今から伺っていいですか、とのこと。といっても残念ながら自分に会いたいわけではなくて、自分が預かっていたラケットを取りに来る用事で。だいたいいつも、あの子のラケットのグリップテープを自分が巻いてあげていて今回もその引き取りで。前から自宅にいる日を伝えてはいたけれど、まさか今日になるとは思ってもみなかった、年末でもう仕事はお休みのはず、年明けかなって思っていたから。

1週間ぶりに会ったあの子はやっぱりステキ。たまたま収穫に出かけていたこともあったので、ラケットを渡すついでにカブも貰っていただいた。そうしたら彼女から思いもよらなかったお礼のプレゼント。最近リンゴを使ったスイーツにはまっているとのことで、スイーツ屋に行った帰りだったのかもしれない。お菓子を頂いた。思いもよらないプレゼントで嬉しすぎ、胸が張り裂けそうな感じ。普段いきなり何かを、という人ではないので、多分スイーツ屋に寄ったときに僕のことを思い出してくれたんだと思う。で、スイーツ買って、連絡くれて、そのまま来てくれたんだ。

でも自分、もっと楽しい話が出来ればよかったのに、がっかりな話題にしてしまってあまりに残念。ホント自分にがっかり。

あの子が帰った後、出かける用事があり戻ったのが夜中。スイーツは明日、と思ったけど、どんなスイーツをくださったのか気になったので開けてみた。なんだか可愛らしい袋に入ってる。そのスイーツ屋、すぐ近くにあるらしい。
可愛らしいリンゴの焼き菓子、アップルパイだね。あの子は僕が甘いものを好んで食べる方ではないことを知っているはずだから、きっとほのかな甘さであっさりしているのを選んでくれたんじゃないかと思う。焼けたリンゴがそんなふうに見える。もうね、食べるのもったいない。永久保存したいくらいだけど、そういうわけにもいかない。明日、おやつで頂こうか。
あの子のことを想うのをやめようやめようって思っていたけれど、妙なタイミングでのいただきもの。あの子の気持ちが少しわかるような、そんな気がして、また想いが募る。素敵な人に出会えたんだなって・・・でも、出会うのが少し遅かったなって・・・そう思う。

今年はもう会えない。次に会えるのは年明け最初の土曜日の練習。その次の日はペアでの練習日だから沢山一緒にいられる。今年は辛いことが本当に多かったけれど、最後の最後にステキな事件が起こった。幸せな気持ちで新年を迎えられる気がする。

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